それはひとつの種

バランスをとりたくなるんだと思った。

心が楽でいられるように。

すぐに壊れてしまいそうなほど、

私の心は華奢じゃない。

ただ、楽でいたいだけ。

自分が疲れてしまったら、

癒してくれる人に会いたくなる。

それが迷惑だってわかってても、

どうしようもないと思い込んで、

必要なんだと言い聞かせて、

会いにいく。

迷惑だ、そんなの。

私はどうして自分のことばっかりなんだろう。

どうして、こんなに自分勝手なんだろう。

迷惑だなんて、顔に出せないだけだろうに。

何も言われないのをいいことに、

きっとまた会いに行くんだ。

笑顔の下で何を思うんだろう。

どうして会ってくれるのかな。

慈悲か、同情か、それとも友情か。

私はそんなに弱くないんだ。

自分だけだって、壊れることなんかないんだ。

ひとりでも平気だって、私はちゃんと知ってるんだ。

ひとりじゃどうしようもないなんてこと、

私には滅多にない。

というかない。

だから本当は、あなたに会わなくても平気なんだ。

ただ、会いたいから会いにいくだけ。

必要なんじゃないんだ。

ただ、会いたいだけ。

だから申し訳ない。

私のわがままに、結局つき合わせてしまうから。

あなたは笑うけど、

その下で何を思うんだろう。

うっとうしいとか、迷惑だとか、そういうことを

思いながら笑うのかな。

そのときは感じなくても、後から思うかな。

怖くてたまらなくなる。

どうしよう、もし、嫌われてしまったら。

私はどうするんだろう。

わからないけれど。

きっとまた私は会いに行くんだ。

あなたは優しいから、

きっと私のわがままをまた聞いてくれる。

自分の迷惑も省みずに。

相手をしたあとで、きっと後悔するんじゃないかな。

ああ、また無駄な時間を使ってしまったって。

あなたには時間がないのにね。

私はあなたに頑張ってほしいのに、

あなたの邪魔ばっかりしている。

おかしいね。

でも、どっちも本当。

会いたいのも、頑張って欲しいのも。

結果が出たら、きっともう会えなくなるけれど。

それでも、頑張って欲しい。

大好きだよ。